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古来にあった川俣町に伝わる幻の紫草そめ(紫根染め)の復興と再現に関する話です。       

川俣根紫(ねむらさき)


 紫草(むらさき)・・・紫色を染めるので色名がそのまま、この植物の日本名になった

 根紫(ねむらさき)・・川俣地方で採取される紫草で染め上げた絹織物、またはその
            染料のこと。紫根染(紫草染)をこの地域では根紫染と呼ばれ
            ていた。

 【 沿 革 】
奈良時代,信夫郡小手郷(現在の伊達郡南部から安達郡北部で川俣町がその中心)は、摂関
家藤原氏の菩提寺であった奈良の興福寺の荘保であった。(荘園志料)古来より川俣は絹織
物の産地であったので、出来た絹織物を紫草で染めあげて租(ソ;貢もの)として都へ運ば
れていたと推測される。貴族階級の独占から離れ、一般大衆が紫色を染色出来るようになっ
たのは江戸時代になってからである。川俣の根紫染めが文献によって確認ができるのは江戸
中期以降、幕府の天領になってからのことである。18世紀頃の染色記録調査 岩代添野村
惣七より「奥州 川又村 紫染伝 文化13年(1816)子八月 奥州川又村 紫染ヤ 忠
右ェ門 ぬかた村 喜兵衛 安右ェ門 伝也」とある。すでに近江商人により、川俣紫・川
俣根紫が江戸と京都で販売されていたことが伺える。

※川俣の絹織物が多く京都で取引されたのは豊臣秀吉が奥州仕置きで、会津・福島・米沢の
支配者であった伊達政宗を仙台へ配置し、かわりに会津に部下の蒲生氏郷を配置してからで
ある。蒲生氏は近江商人を引き連れてきて、彼らを使い藩内の物産の調査と販売をまかせた
からであった。

 【 再 興 】
紫根染の染色技法は、染色のなかでも特殊で、大変な手間と労力がかかり、また貴族の独占
物であったため、染色法が秘伝となされ、普及せず、明治になって化学染料の安価で手軽な
染色方法の普及とともにいち早く姿を消した幻の染色技法であった。昭和48年(1973)に
川俣町の文化人が集い、この川俣根紫の再興をはかった。本多 晃氏(学術・文献・栽培)
片寄為次郎氏(染色)・高橋歌子氏(美術・栽培)・山根正平氏(製織)の4名が、地ムラ
サキの再興を目指し、ムラサキ工房を結成した。南部紫根染め(岩手県盛岡市)が再び世間
の注目を集める数年前でした。山木屋地区で原種を採取し、自宅で栽培。その染料で染色し
試作品を福島県の繊維展に出品した。手作りの作業と本物の再興を目指したが、栽培の困難
さと時代の背景により、研究と試作段階でとまり、これ以上活動が広がらず、中断してしま
った。

  【 再 現 】
平成11年(1999)国と福島県の補助事業(地場産業活性化)で、福島県同業会において
ブライダル研究会とシルク・アイテム研究会が組織され、シルクの需要開拓と新商品の開発
が図られた。所属していた研究会で、川俣羽二重と草木染の川俣根紫染で寝具・インテリア
用品への利用を提案したが、残念ながら採用とならず、独力で試行錯誤することにした。
長年調査、研究しておられた高橋歌子氏、本多晃氏の助言と協力のもとで再現に従事してい
ました。近年おりもの展示館で山根正平氏について紫草の栽培を始めていた所、平成18年に
本多氏を、平成22年には山根氏と相次いで亡くし、また順調に進んでいた栽培も平成23年
(2011)3月11日の東日本大震災と原発事故により中断をよぎなくされてしまいました。
平成23年には千葉大学院再生生態学研究室の小林教授グループによる遺伝子調査があり、
栽培していた川俣根紫は西洋ムラサキとの交配種との結果を受けました。 平成20年(
2008)にモグラの食害にあい、全滅したことがあり、保管中の増殖個体から栽培をやり直し
た時から混入したのではと思います。現在再度遺伝子の解析を依頼しているところです。
原種は新たに秩父山系の日本紫草をいただき、栽培を平成25年(2015)再開したところで
す。

  【 栽培日誌 】

H28・1・25
晴れ PM3:30 3℃

移植ポット1ヶあたり2〜3粒直播する。散水後、雪を
抱かせる。全国的に寒波の
襲来で寒い。奄美大島115
年ぶりの雪

H28・4・12

晴れ  pm4 15℃  

昨日は低気圧が入り気温下がる。東和町では桜満開なのに
積雪。今日は晴天。合戦場の
桜・中島の地蔵桜の花見をする。

H28・5・9

晴れ am9:30 18℃

4・14;4・15熊本地震、死
者43名負傷者2000以上
の被害。プランターもの葉の幅
3cmになる。5月連休天気
良くなかった。ここ天気回復


H28・5・9

PM4:30 曇り 23℃

大き目のプランターに移植
4鉢 10ヶ移植する

H28・5・16

PM4:30 曇り 21℃

12日より3連続25℃超え
る晴天。高さ25mm、幅
20mmになる

H28・6・13

pm4 雨 18℃

6・5関東梅雨入りする
菅野さんの紅花咲き始めた
高さ14cm、幅11cm


H28・7・12
pm5:30 晴れ28℃

7・2花が咲いた
7・4ニイニイゼミ初鳴き7日
早い。高さ98cmになった

H28・8・29

am11 小雨 29℃

支柱が倒れこのようになった
迷走台風10号でぐずついた天
気続く。北海道の台風9号・
11号と上陸、被害でる。

H28・9・23

pm5:10 曇り 21℃ 
紅花染めに夢中で、紫草栽培
に手をかけず放置していたので
このような有様になった。精
一杯頑張っている。    

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